腕時計のはなし。

7月27日

引き出しの中を整理していたら、父の形見の腕時計が出てきた。

そんなに高価なものではないし、(父は腕時計が好きで沢山集めていたが、あまり高価なものは買わなかった)

 

デザイン的にも新しい感じではないのだが、なんとなく腕に巻いてみたくなった。

もちろん、時計の針は止まっている。電池を替えなきゃな、と思う。

左腕に巻いて、よーく盤面を覗き込むと、小さな円で表示されている秒針が動いていた。

あれれと思って裏側を見ると、なるほど、自動ネジ巻きの機械式時計だった。

腕に巻いていると、ローターと呼ばれる装置がクルクルと回って、勝手にネジを巻いてくれるわけだ。Automaticとも言う。

なんとなく嬉しくなって、一日、身につけて過ごした。ただ、ベルトが少々緩い。親父と自分の手首のサイズが違うのだろう、なんとなく居心地が悪い。

 

後日、ひさしぶりに時計屋に行き、ベルトの調節をしてもらった。

手首にしっとりとフィットしたそれは、不思議なもので、前よりもデザインも良くなったように見える。

毎朝、正確に時間を合わせる必要があるが、それも一日始まりの儀式のようで心地良いし、

家に帰って時計を外すと、気持ちまでリラックスするような感覚もある。

 

今まではわざわざスマホを取り出して時間を確認したり、近くにいる人に聞いたり

(その近くにいる人もスマホを取り出して確認したり…)していたのだが、

やはり腕を覗く方がスマートだ。

 

しばらく愛用しようかなと思っている。